【馬の最後】
馬の最後はなかなかの茨(イバラ)の道で、
サードキャリアの事を
理想を求めて安易に始めたので、
お金の面で苦労しています。
なのでそろそろサードキャリアの馬を切りましょうとの意見が強くありましたが、
個人的にどうしても
ホースボールに関わった馬には終生飼養をあげたい。
と言っても、
すでに使うのが困難過ぎる馬も
みんな「元気な馬だから」と言い、
来てみれば、細かく調べるとボロボロで、どうやって使おうかと真剣に困る状態が多いです。
先輩に
「本来、その馬で金儲けしたヤツが面倒見るのがスジだろう?なんでもう使えないところまでそいつが使ったのを捨てるのをお前は受けてんだ」と言われるまで、
「困ってる」と言われたので、それなら何とかしようと思ったのでしたが、
正直、色々と勉強になりました。
セカンドキャリアの終わりが見えてきた時に、
セカンドキャリアを担当する人は、サードキャリアを見据えて使ってきた訳では無いので、
言い方は厳しくしますが捨てる様な状態が多い印象です。
そうでは無い子も居ますが、
サードキャリアを見込んで良い状態のままリリースする準備というのが今後のセカンドキャリアを担当する乗馬、馬術、繁殖の施設に求められるんだなあと心底感じています。
なので、
ホースボールに陽が当たるなら、
サードキャリアの陰は表裏一体。
昼間があって夜がある。
自然のルールのひとつ
2つ揃って初めて1つに成る。
ホースボールをするなら
サードキャリアを無視できない。
色んな馬の競技のケガの率を知って思ったのが、
ホースボールの馬のケガ率は意外と高くないなという事で
それでも、わざわざ馬に乗って球技をするめちゃくちゃ楽しいスポーツなので、
『1番のお陰様は馬』だから
終生飼養一択でホースボールは行きたい。
ホースボールのお陰で
毎日馬と寝泊まりをする生活を始め、
その結果、
人以外の生き物に『心』がある事を知る事が出来た人なので、そこは叶えたい。
日本ホースボール協会が
最初に手に入れた馬はラミサカという
総合馬術の引退競技馬で、
亡くなる時にはラミサカは27歳に成っていました。
ラミサカは疾病で
最後に自力で立つのが困難になり、
初めて生き物の安楽死の選択を自分でする事になりました。
立てない馬の最後の3日間は大体が
悲惨なのをそれまでに見てきたので、
自力で立てないとハッキリした時点で
決断できました。
が、
いざその時が来て、
安楽死を獣医さんにお願いした時には、
涙が止まりませんでした。
倒れたまま起き上がれない
まだ生きているラミサカを見て、
たまたまその場所が
屋根付きのアスファルトの通路だったので、
「めっちゃごめん」と
その場所とは真逆の
「草の上で、空を見ながら死なせてあげたかった」と
その時、心底思いました。
獣医の先生が到着するまでに、
せめてラミサカの顔の周りだけでもと、
草を刈ってきて顔の周りに草を敷きました。
安楽死の処置も、
まず睡眠薬で眠らせてから処置してくださり、本当に静かに亡くなってくれて少しだけ心が救われました。
初めて手に入れた馬がラミサカで本当に良かったです。
ホースボールは激しい競技なので、わざわざ馬に協力してもらうからには良い最後だけは絶対にあげたいなとずっと思っていたのですが、
どんな最後の環境なら
馬は喜んでくれるのか
ラミサカのお陰で自分の中に答えとして
見つける事が出来ました。
今居る、
引退繁殖牝馬や、引退乗馬、引退馬術馬。
なんでそんな馬引き取るんですかアホですかと、
ホースボール協会の経済力でする事では無いとの意見で、お金の面では間違いなくて。
ホースボールにもっとお金を注ぎ込みたい人にはごめんだけど、サードキャリアはやっぱり表裏一体。
ホースボールに関わる人が、
『その瞬間だけ楽しければOK』に
ならない様に、
ホースボールの馬の
より良いサードキャリアを模索する
『土地』を個人的に得る事が出来ました。
日本ホースボール協会と
個人的な活動の
1 HORSE LIFE . という乗馬施設のどちらの場所にするかはまだ決めて居ませんが、
この夏、ポルトガルやフランスで見た『馬にも人にも良い生き方』を始めたいと思います。
サードキャリアを身近にしたい。
まだまだイバラの道ですが、
なぜかホースボールの発展と表裏一体で、心が向いてしまいます。
幾つもの山や河を越えて、
たどり着いた里で、菊が薫っている。
そんな精神的に落ち着ける場所を
人にたくさん使われた馬にあげたい。
そのために
まずは、得た土地の草刈りを始めます。
応援よろしくお願いいたします。